CMディレクター杉山登志
ここ数日、寝起きが悪かった娘だが、今日は機嫌良く起きてくる。「おかあさんといっしょ」を見ながらひとしきり歌って、踊って、朝食。パン、バナナ、牛乳、ヨーグルトというのが我が家の定番メニュー。ヨーグルトはプレーンで、女房が黒ごまきな粉を入れてくれる。喧嘩中でもこのメニューは変わらない。
歯を磨き、トイレへ行こうとすると「私もだよ」と娘が後をついてくる。ドアを閉めると、「ボク、うりぼう」と言って笑っている。よくわからないけど、幸せそうだな。
午前中は、資料探しのため池袋のジュンク堂へ。来月号は靴の特集なので、その手の本を探すが、ファッション・雑貨コーナーを席巻しているのは、時計、デニム、文房具で、靴関係の本は追いやられている。かろうじてあったスニーカーのムックとファッション誌を数冊買う。紳士靴ってブームじゃないのかな。午後からは入稿作業や校正に追われてバタバタ。それでも、18時には終えて、銀座界隈の靴屋へリサーチ。その後、本屋によって、伊藤たかみの「八月の路上に捨てる」を購入する。いつかインタビューするために、入念に読み始める。
夜はCMディレクター・杉山登志を取り上げているドラマを見る。どこか公共広告っぽい作りだが、媒体は違えど同じ商業作品作りを生業としている者としては見入ってしまう。藤木直人は線は細いが好演していた。遺書にあった「……嘘をついてもばれるものです」という言葉は胸を突く。37歳で自殺。燃え尽きたのかな。真面目すぎたのかな、と思う。時代が変わっても、30代ってけっこう生きづらいのは確かかもしれない。何かを成し遂げた人にとっても、何も成し遂げていない人にとっても。がんばれ、30代。人生は長いから、と自分に言い聞かせる。
歯を磨き、トイレへ行こうとすると「私もだよ」と娘が後をついてくる。ドアを閉めると、「ボク、うりぼう」と言って笑っている。よくわからないけど、幸せそうだな。
午前中は、資料探しのため池袋のジュンク堂へ。来月号は靴の特集なので、その手の本を探すが、ファッション・雑貨コーナーを席巻しているのは、時計、デニム、文房具で、靴関係の本は追いやられている。かろうじてあったスニーカーのムックとファッション誌を数冊買う。紳士靴ってブームじゃないのかな。午後からは入稿作業や校正に追われてバタバタ。それでも、18時には終えて、銀座界隈の靴屋へリサーチ。その後、本屋によって、伊藤たかみの「八月の路上に捨てる」を購入する。いつかインタビューするために、入念に読み始める。
夜はCMディレクター・杉山登志を取り上げているドラマを見る。どこか公共広告っぽい作りだが、媒体は違えど同じ商業作品作りを生業としている者としては見入ってしまう。藤木直人は線は細いが好演していた。遺書にあった「……嘘をついてもばれるものです」という言葉は胸を突く。37歳で自殺。燃え尽きたのかな。真面目すぎたのかな、と思う。時代が変わっても、30代ってけっこう生きづらいのは確かかもしれない。何かを成し遂げた人にとっても、何も成し遂げていない人にとっても。がんばれ、30代。人生は長いから、と自分に言い聞かせる。
「温室デイズ」、言葉遣い
帰りの電車のなかで、瀬尾まいこの「温室デイズ」を読み終える。学級崩壊、イジメ、不登校をテーマにした小説で、瀬尾まいこは現役の国語教師でもあるから、おそらくここに書かれている内容は、リアルな小中学校の現状なのだろう。やわらかい筆致で、登場人物の心の襞を丹念に描いている。きっと、イジメや不登校に悩んでいる小中学生にとっては、本書は心強い味方になるのだろう。その場所からけっして逃げないことの正しさと勇気を静かに訴えている。それを言葉で、押し付けがましくなく子供たちに伝えるのは難しい。物語だからこそ、伝えられるのだと思う。
夜、少しお酒を飲んだら、疲れがたまっていたのか、うたた寝してしまい、目が覚めると深夜の2時。女房はまだパソコンに向かっている。機嫌が悪いのは、娘に変な言葉を教えたからだという。「地震、かみなり、火事、おやじ」「お帰りなさい、ご主人様」「関取(女房に向かって)」。ほんの軽い冗談のつもりだったのに、相当、頭にきているらしい。ごめんなさい。でも、反省しない。だって好きなんだもん。楽しいんだもん。イジメに出合っても、ユーモアで乗り切れるように、これからもこっそり変な言葉を教えよう。「ジャズってる?」とか「お願いばかりで恐縮です」とか。今週末は久しぶりにゆっくりできるので、いっぱい娘と遊ぼう。
夜、少しお酒を飲んだら、疲れがたまっていたのか、うたた寝してしまい、目が覚めると深夜の2時。女房はまだパソコンに向かっている。機嫌が悪いのは、娘に変な言葉を教えたからだという。「地震、かみなり、火事、おやじ」「お帰りなさい、ご主人様」「関取(女房に向かって)」。ほんの軽い冗談のつもりだったのに、相当、頭にきているらしい。ごめんなさい。でも、反省しない。だって好きなんだもん。楽しいんだもん。イジメに出合っても、ユーモアで乗り切れるように、これからもこっそり変な言葉を教えよう。「ジャズってる?」とか「お願いばかりで恐縮です」とか。今週末は久しぶりにゆっくりできるので、いっぱい娘と遊ぼう。
コンフィチュール
金曜日は金沢へ日帰り出張。久しぶりの出張も日帰りとは寂しいが、それでも会社でパソコンに向かっているよりはずっといい。目的は、コンフィチュールの取材。「ぶどうの木」という洋菓子店&レストランで、コンフィチュールのレシピその他もろもろの撮影をこなす。ちなみに、コンフィチュールとは、フランス語で「ジャム」の意。
お会いしたパティシエ、シェフの方は、どちらも素朴であたたかい人で、はじめての金沢の印象度がかなり上がる。バティシエのSさんは、ほかのスタッフから「あまたつ君」と呼ばれているらしい。とてもアットホームな雰囲気で、店にもそんな居心地のよい空気が流れている。ケーキだって素朴で、お土産に買ったロールケーキのおいしさに感激してしまった。シェフのYさんはどこかジミー大西似。もしかしたら「ジミーちゃん」と呼ばれているのかもしれない。へんに職人っぽい頑なところもなく、根っから料理を作るのが好きらしい。色彩感覚が優れているところも、ジミーちゃんに似ている。加えて、少しだけ挨拶した社長も、飾らず、居酒屋のカウンターでいつも調子のいいことばかり言っているようなオヤジさんといった雰囲気の方だった。すべては、この人の人柄なのだろう。プロヴァンスにあるようなお店だなと、行ったことはないけど思ってしまう。
撮影は意外と時間が押してしまい、昼食抜きとなり、帰りはへとへと。締め切りがまだ先なら、1泊して21世紀美術館に足を運びたかったと思う。今度、娘と2人旅しよう。
久しぶりに地方の空気を吸うのは気持ちいい。日々通勤電車に乗っていると、やはり心が摩耗してしまう。人を見る目にしても、思いやりにしても。
コンフィチュールってまだなじみのない言葉だけど、煮詰めていえば、ジャムに新しい名前をつけることで、あらためてジャムの魅力を見直し、発見しようということである。そういう意味では、僕らの日々の営みのなかにも、なにげないジャムような存在がいくつもあって、発見されるときを今や遅しと待っているのかもしれない。平凡な日常には、多くの豊かさが詰まっていると、帰りに読んだ藤沢周平の本を読みながら考えていた。
お会いしたパティシエ、シェフの方は、どちらも素朴であたたかい人で、はじめての金沢の印象度がかなり上がる。バティシエのSさんは、ほかのスタッフから「あまたつ君」と呼ばれているらしい。とてもアットホームな雰囲気で、店にもそんな居心地のよい空気が流れている。ケーキだって素朴で、お土産に買ったロールケーキのおいしさに感激してしまった。シェフのYさんはどこかジミー大西似。もしかしたら「ジミーちゃん」と呼ばれているのかもしれない。へんに職人っぽい頑なところもなく、根っから料理を作るのが好きらしい。色彩感覚が優れているところも、ジミーちゃんに似ている。加えて、少しだけ挨拶した社長も、飾らず、居酒屋のカウンターでいつも調子のいいことばかり言っているようなオヤジさんといった雰囲気の方だった。すべては、この人の人柄なのだろう。プロヴァンスにあるようなお店だなと、行ったことはないけど思ってしまう。
撮影は意外と時間が押してしまい、昼食抜きとなり、帰りはへとへと。締め切りがまだ先なら、1泊して21世紀美術館に足を運びたかったと思う。今度、娘と2人旅しよう。
久しぶりに地方の空気を吸うのは気持ちいい。日々通勤電車に乗っていると、やはり心が摩耗してしまう。人を見る目にしても、思いやりにしても。
コンフィチュールってまだなじみのない言葉だけど、煮詰めていえば、ジャムに新しい名前をつけることで、あらためてジャムの魅力を見直し、発見しようということである。そういう意味では、僕らの日々の営みのなかにも、なにげないジャムような存在がいくつもあって、発見されるときを今や遅しと待っているのかもしれない。平凡な日常には、多くの豊かさが詰まっていると、帰りに読んだ藤沢周平の本を読みながら考えていた。

